国立エルミタージュ美術館が所蔵している膨大な西洋陶磁器コレクションの中から、女帝エカテリーナ2世が、特別な晩餐会のために西欧諸国の一流の窯元から収集した四大ディナー・テーブルウェアをご紹介します。エカテリーナ2世の人生の節目に記念品として作られた、それぞれのテーブルウェアにまつわるエピソードを交え、晩餐会に関連する美術作品、装飾品によって、エカテリーナ2世の華やかな宮廷生活を物語ります。
《ベルリン・デザート・セルヴィス》
日本初公開となるベルリン王立窯のセルヴィス。
1768年に始まったトルコとの戦争にロシアが勝利しました。それに軍事的脅威を感じたプロイセン(現在のドイツ)国王フリードリヒ2世は、ロシア軍勝利を祝う豪華な磁気製セルヴィスを作らせ、エカテリーナ2世に贈ったのが、このディナーセットです。
《グリーン・フロッグ・セルヴィス》
1773年にイギリスのウェッジウッド社に注文の出されたこのセルヴィス(緑のカエルのセルヴィス)。このユニークな呼び名は、このセルヴィスが使われた宮殿の名前「ケケレケクシネン」(蛙の沼)に由来しています。またこのセルヴィスには、産業革命の成果で注目を集めていたイギリスの風景が絵付けされている。このセットの完成により、ウェッジウッドの名声を高めるだけでなく、女帝の啓蒙君主としてのセンスをヨーロッパ中にしらしめたのです。
《カメオ・セルヴィス》
エカテリーナ2世はカメオなどの宝飾品の熱心な収集家でもありました。オリジナルのカメオ彫刻を模した装飾を施したこのセルヴィスは、女帝の寵臣であった、グレゴリー・ポチョムキン公爵への贈り物として作られたものです。
《聖ゲオルギー・セルヴィス》
ロシア最高位の勲章のひとつである聖ゲオルギーの名前がつけられたこのディナーセットは、勲章を授与された者達を招いての祝宴の際、用いられたものです。
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[会期・会場]
2009年4月16日~7月5日
東京都庭園美術館
主催:財団法人東京都歴史文化財団、
東京都庭園美術館、読売新聞東京本社、
美術館連絡協議会
2009年7月18日~8月30日
いわき市立美術館
主催:いわき市立美術館、
読売新聞東京本社、美術館連絡協議会
2009年9月9日~9月28日
大丸心斎橋店
主催:読売新聞大阪本社、
美術館連絡協議会、
NHKプラネット近畿
2009年10月3日~12月3日
海の見える杜美術館
主催:海の見える杜美術館、
読売新聞大阪本社、美術館連絡協議会
[全会場共通]
後援:ロシア連邦大使館、
ロシア国際文化科学協力センター
協力:フィンランド航空
企画協力:アートインプレッション
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