20世紀初頭に、ロシア・アヴァンギャルドの画家や詩人は、古い伝統を打ち壊す過激な芸術の革命を進めていく中、1917年にロシア革命が起こります。芸術家の夢と国家の夢が重なったかのように、多くのアヴァンギャルド芸術家たちが政府の組織にも加わっていきます。この内戦が続く時代に、革命思想を浸透させるプロパガンダの役割を担ったポスターや演劇、陶磁器などの制作に芸術家たちは取り組みます。
市場経済が一部導入され始めた1920年代になると、新しい生活の建設に向けて、映画のポスター、グラフィカルな雑誌や絵本、演劇の舞台や衣裳、建築などへと制作は変化していきました。1928年に始まる「五ヵ年計画」の時代には、ポスターや雑誌、時にはテキスタイルを通じて、増産や工業化を訴えます。
しかし、夢見る時代は長く続きませんでした。革命20周年にあたる1937年からスターリンの粛清が始まり、多くの芸術家が逮捕、処刑され、夢は終焉を迎えます。
わずか20年ですが、ロシア・アヴァンギャルドが見た夢と、その時代の熱気や高揚感、強いメッセージ性をを感じ取ることができるデザインの展覧会となっています。
本展では、ロシアの美術館4館、および国内8箇所の所蔵作品、国内外の個人所蔵作品から集められた、ポスター、雑誌、陶磁器、衣裳、テキスタイル、デザイン画など、約212点が出品されています。
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[会期・会場]
2009年10月10日~12月6日
埼玉県立近代美術館
主催:埼玉県立近代美術館
2010年1月30日~3月28日
岡崎市美術博物館
主催:岡崎市美術博物館
2010年4月3日~5月9日
山形美術館
主催:山形美術館、山形新聞、 山形放送
共催:山形県、(財)山形県生涯学習文化財団
[全会場共通]
後援:ロシア連邦大使館、
ロシア国際文化協力庁
協力:ルフトハンザカーゴAG、
ルフトハンザドイツ航空会社
企画協力:アートインプレッション
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