「樹木」というモティーフを通して、印象派を中心とするフランス近代風景画の進展を探る展覧会です。旧約聖書の「生命の樹」や「知恵の樹」、北欧神話に登場する巨大樹「ユグドラシル」、キリストの系図を表す「エッサイの木」など、人類の身近な存在である樹木には、古来より様々な役割が託され、芸術作品にもその姿が数多く描かれてきました。自然を見出したバルビゾン派の画家たちは、それまで背景として描かれていた風景に注目し、樹木は絵画の独立した主題となります。やがて刻々と変化する自然の様相を画面にとどめようとした印象派の画家たちや、光の科学的分析を進めた新印象派の画家たちにとって、一瞬の光景や陽光の陰影を効果的に表現できる樹木は格好の主題のひとつとなりました。さらに自由な色彩を求めたポスト印象派やフォーヴの画家たちは、樹木を画面の構成要素としてとらえ、そこから20世紀における抽象芸術が展開していくことになります。本展はロマン派に始まりバルビゾン派、印象派、新印象派、ポスト印象派、象徴派、フォーヴまで、フランス近代風景画の進展を担った画家たちが「樹木」をどのように描き、自らの芸術を高めるために用いてきたかを、フランスを中心とする国内外の美術館、ならびに個人所蔵作品から、樹木に対する画家の想いがこめられた作品113点で展覧します。
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[会期・会場]
2016年4月16日~6月26日
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
主催:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館、 日本経済新聞社
2016年7月9日~8月21日
札幌芸術の森美術館
主催:札幌芸術の森美術館、
札幌テレビ放送
2016年8月30日~10月16日
岐阜県美術館
主催:岐阜県美術館、
岐阜新聞・ぎふチャン、日本経済新聞社、
樹をめぐる物語展実行委員会
2016年10月22日~12月11日
山梨県立美術館 主催:山梨県立美術館、
山梨日日新聞社・山梨放送
[全会場共通]
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
協力:エールフランス航空/KLMオランダ航空、日本航空
監修:クリストフ・デュヴィヴィエ
(ポントワーズ美術館館長[カミーユ・ピサロ美術館 (タヴェ=ドラクール美術館])
企画協力:アートインプレッション
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