本展は、「ディリリとパリの時間旅行」(監督:ミッシェル・オスロ、仏・独・白2018)という冒険アニメ映画に触発され、企画されました。舞台は古き良き時代と謳われる20世紀初頭のパリ。ニューカレドニア出身の少女が連続少女誘拐事件に挑むという物語が展開する中、当時のフランスを代表する芸術家や科学者らが100人以上も登場し、この時代の文化的多様性と、同時に輝きの後ろにある影をも冷静に写し出しました。それを受け、展覧会はフランス在住の美術史家フィリップ・デニス・ケイト氏の監修のもと、ワイズマン&マイケル
コレクションから珠玉の作品群を中心に国内に所蔵される優品を加えた約280点の作品により、19世紀末からベル・エポック期を経て、アール・デコ期に至る時代に、美術工芸のみならず、舞台、音楽、文学、モード、科学技術など、様々なジャンルで華開いた文化の諸相を重層的に紹介します。また、監修者ケイト氏ならびにワイズマン&マイケルコレクション作品管理者であるノルマ・ティボー氏のほか、科学史を専門とされる名古屋工業大学名誉教授川島慶子氏、本展の音源および映像制作にご尽力いただいた東京藝術大学名誉教授の西岡龍彦氏、当時のフランスの詩と音楽についてご指導いただいた東京藝術大学音楽学部教授の大森晋輔氏、そして作品所蔵館の学芸員ら各ジャンルの研究者の協力を仰ぎ、多角的な視点を盛り込みました。私たちはベル・エポックの時代に生まれたさまざまな科学技術や芸術文化を享受し近代社会を営んできました。豊かさとともにさまざまな問題も抱える今、モダニズムの光と影を追体験しながら、私たちの新たな未来像を模索したいと思います。
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[会期・会場]
2024年4月20日-2024年6月16日
山梨県立美術館
主催:山梨県立美術館、テレビ山梨
2024年7月13日-2024年9月8日
栃木県立美術館
主催:栃木県立美術館
2024年10月5日-2024年12月15日
パナソニック汐留美術館
主催:パナソニック汐留美術館
2025年4月11日-2025年5月18日
岡山県立美術館
主催:岡山県立美術館、RSK山陽放送
[全会場共通]
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
協力:日本航空
企画協力:アートインプレッション
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